2005年右乳房全摘、局所再発・多発肝転移・多発骨転移・胸膜播種転移治療日記。

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疲労困憊
 


今年3度目の上京となった週末。


金曜日、試験を終えた息子と帰宅したのは夜10時過ぎ。
翌日の土曜日、朝6時には東京へ行くため高速道路に向かう車の中だった。


こんなに過密なスケジュールになってしまった理由は“部屋探し”だった。
娘と息子が都内でルームシェアをすることになった。
息子の受験結果は全て出ていないけれど、センター利用でかろうじて引っかかった都内の大学入学は確定している。
最後に受験した大学の合否結果を待つことなく、一刻も早く部屋を決めたいと言う彼らの気持ちに押され、急遽夫と二人で不動産屋を訪れた。

慣れない土地での部屋探しは想像以上に疲労困憊し、なんとか話がまとまった後、4月からの新しい生活に意気揚々としている子供たちとは対照的に、夫と二人ぐったりだった。
不動産屋からの帰り道を歩いていると、幼い兄弟を連れた親子とすれ違った。
「あの人たちは今から子供をしとねる(育てる)んだよな〜。大変だな。もう俺らはとてもそんなエネルギーはないよな・・・」
とつぶやく夫の言葉に、自分たちの老いと子育てが終わる淋しさのようなものを感じた。

次なる課題は引越し。

治療を調整しながら、体調を整えながら、子育ての最後を楽しみたい。







今日は通院。
先週の血液検査結果を聞きに行く。
TCからドセ単剤治療にして2クールが終わった。
マーカーはどう動くだろうか・・・   
明日は息子の卒業式と10クール目の化学療法予定。



春の訪れを感じる余裕もない。     (・e・)


精一杯な日々
 


自宅を出て6日目。


慣れない土地でのホテル生活も限界かもしれない。



息子は国公立大学入試前期日程のため一人試験会場へ向かった。
私大の入試日程と試験日が近かったため、自宅へ戻ることなくそのまま滞在する選択をした。
息子と二人だけで過ごした数日間。
いろいろあったけれど、母親の自己満足に付き合ってくれてありがとう・・・。
「楽しんで来いよ」
と送り出してくれた夫に感謝している。

反面、もう今日は自宅へ帰れるんだと思うと嬉しい。
ちょっと疲れてきた。
日常生活では車を使っての移動がほとんどで、公共交通機関を利用する生活は歩くことが多く予想以上に疲れてしまう。
買い物をした荷物も全て自分の手で持ち歩かなければならない。
腰の辺りが痺れるように時々痛むと、骨転移の悪化が原因なのかもれない・・と気を病む。

SSM治験登録のため日本医科大学病院へ行った日、付き添ってくれた娘が言う。
「もうすでに一万歩も歩いてるよ!」
サクサクと歩けないひよこにゆっくりと歩調を合わせてくれた彼女も驚いていた。
さすがにある日突然の一万歩歩きはちょっと辛かった。
昨日は不動産屋のはしご。
片付けなければならない問題が山積みの春。
体調を崩すことのないように一日を終えることで精一杯な日々。




お金も体も・・ちょっと忙し過ぎる。      (・e ・)



有償治験
 


今回の上京の最大の目的は、SSM治験に参加登録することだった。








以前から興味のあったワクチン。
後悔しない治療をするために選択した。
 


詳しくはまた。    (・e ・)


下町小旅行
 


今日は都電に乗ってみた。


早稲田から三ノ輪橋までの荒川線。



バスのような電車のような・・とても趣のある車両は“チンチン♪”っと愛嬌のあるベルを出発時に鳴らす。
一日券を買って気の向くままぶらっと降りては駅周辺を散策し、各駅停車を楽しんだ。
線路沿いには桜の木がたくさん植えられていて、満開の時期でないことが残念だった。





荒川区役所前のホームからは、建設中のスカイツリーも見ることができた。
ちょっとラッキー!
でも、歩き続けているとだんだん手足が浮腫んでくる。
気持ちはあるのに足が重くだるい。
抗がん剤治療中の体では無理もないことかもしれない。

先週末の採血結果では、白血球が6300だった。
一回のG−CSF注射で白血球値が回復してくれて良かった。
おかげで慣れない土地での生活も無事に過ごすことができそうだ。
前日の夜は新宿で娘と食事をした。
日曜日の新宿の人出は多く、毎度のことだけれど人の多さに圧倒される。
人混みでも感染症に怯えることなく賑やかな街を楽しめて良かった。


治療しながらでも娘や息子と貴重な時間を共有できることに感謝したい。(・e ・)


大学受験 2
 


お昼少し過ぎに都内へ到着した。


東京の今日の空は、厚い雲に覆われて、昼間なのに夕方のように薄暗い。





「別行動でもいい?」
と言う息子は一人でホテルを出て行った。
思うような結果が出ていない大学受験。
彼の心の中は今日の空のように暗雲が立ち込めているのだろうか?
こればかりは代わってあげることもできず、自分自身で乗り越えるしかない。

難関と言われる大学の壁は厚く高い。
たとえ受験に失敗して傷ついても、挑戦することは彼の今後の人生の糧になるに違いない。
身の丈に見合った居場所は必ずある。

最後まであきらめずに、今持てる力を十分発揮してチャレンジして欲しい。


大どんでん返しが起こるかもしれない!?    (・e ・)

春めき色
 






抗がん剤の副作用と寒さのせいで、カメラを持って外出する機会も少なかった最近。
今日は低気圧が近づいているようで、どんよりした曇り空だったけれど風もなく静かな一日だった。

買い物途中で見つけた春めき色。
色のない景色にひと際目立って咲いていた菜の花。
黄色のじゅうたんを敷き詰めたような空間は、寒さも忘れるほど気持ちを暖かくしてくれる。

こんなビタミンカラーを見つけると落ち込んだ気持ちもちょっと盛り上がる。







春めき色をもっと見つけなきゃ・・    (・e・)


大学受験 1
 


底冷えのする東京での二日間。


息子の受験を無事見届けることができて良かった。




                                           


自宅を出る時は雪が降り積もり、『関東地方も大荒れ模様』という天気予報に交通の乱れを覚悟しての上京だったが、新幹線をはじめ各鉄道も混乱なくスムーズに移動できた。
東京駅付近では受験生風な学生を大勢見かけ、自分たちのような親子連れは特に目に付いた。
宿泊先のホテルでも高校生らしい学生と何人かすれ違い
「やべぇ・・みんな受験生に見えてくる・・」
全国のライバルの存在に緊張気味の息子だった。

受験前日の夜、飲み物と簡単な食べ物を買うために、二人で宿泊ホテル近くのコンビ二へ出かけた。
ホテルを出る時一緒だった一人の青年とコンビニでもまた一緒になった。
ひよこ達と同じように地方からの宿泊者と見受けられるその純朴そうな青年は、お弁当とおやつを買っていた。
大学受験のための上京であろう彼は、ささっと買い物を済ませ小雨の降る中、傘もささずにホテルへと走って行った。
そんな彼を見て、受験生の母としてすこし胸を締めつけられる思いだった。

息子はというと・・電車の乗り換えなどひよこの後に着いて歩いているばかりで、終始母任せだった。
もっとも、受験だけに集中して欲しいために息子に付き添うことを望んだ母としての希望は叶えられた結果ではあるけれど、考えさせられた。
一人コンビニで買い物をする彼は、慣れない大都会で過ごす緊張と心細さに耐え、大学受験に挑んでいる。
その彼に強さと逞しさと成長を感じたのは言うまでもない。






本当の愛というのは、遠くで見守ることなのかもしれない。


来週、もう一度上京する予定がある。
今度は息子の後ろをだまって着いて歩いてみようと思う。  (・e・)


寒梅
 






寒梅・・・寒中に咲く梅。


抗がん剤投与から10日も経つと、いろいろな副作用も治まってきて、いくらか楽になる。



今日は北風が冷たかったけれど、眩しいほどの太陽に春を感じた一日だった。
立春も過ぎ、季節の変わり目は気持ちも何となくソワソワしてくる。
明るい春の光は希望に満ち溢れているかのように輝いて見えるからかな。

気分も良かったので久しぶりに庭へ出てみた。
庭の隅で梅の花が咲いていた。
厳しい寒さと副作用で引きこもっているうちに、いつの間にか満開になっていた。
鼻の奥をくすぐるような・・控えめなのに品のある匂いが好き。
二枝ほど折ってテーブルフォトを楽しんだ。
わずか数花でも部屋の空気がほんのり春色に染まる。

明日は息子の受験に付き添い上京する。
大学受験に付き添うなんて・・主治医にも息子の担任にも笑われてしまったけれど、気持ちは揺れない。
「morning caller だから・・   」
とおどけた言い訳をしながらも、付き添うことを拒まない息子にも感謝している。
病気でもとっても幸せな母親かもしれない。


せっかくだから娘にも会ってこよう。       (・e・)



白血球 1200
 


今日は朝起きた時から体調が悪かった。


一通りの家事は夫と義父にお願いして、再びベッドで横になった。



2、3時間うとうとしただろうか。
今日は血液検査のため病院へ行かなくてはならない。
『白血球がかなり少ないのかもしれない・・』
そんな心配をしながら病院へ向かった。

白血球 1200

今朝の体調不良は白血球減少のせいだと思っていたから予想以上に多い数値に驚いた。
そして主治医もG−CSF注射をどうしようかと迷っている。
「このまま様子をみてみたい・・というのが本音ですね」
と自力での回復を期待していらっしゃる様子だった。
今週末には出かける予定があり、その旨を伝えると
「じゃぁ、今日だけ打ちましょうか?」
と言う主治医に従い、一回の注射と自力での回復に期待することにした。

帰宅すると義母の入院先の病院から電話が入った。
「呼吸が少し乱れている状態から新たな脳出血の可能性が疑われます」
義父が電話口で気丈に対応している。
「脳のCT検査をするのですぐに来てください」という二度目の電話があった。
電話を切るなり慌てて病院へ向かった義父。


何だか落ち着かない一日だった。   (・e・)


味覚障害と便秘
 


ドセタキセルの投与から一週間。


少しずつ体調が戻ってきた。





抗がん剤のもろもろの副作用も、投与から一週間も経過するとかなり治まってくる。
初期に現れる吐き気も、今はもうほとんど感じることはない。

吐き気が治まってくると今度は食欲が出てくる。
ムカムカして思うように食べられなかった時間を取り戻すかのように、アレもコレも食べたくなる。
一気に食べたい気持ちを抑え、可能なものを優先順位を決めて、食べる。
その時その時に一番食べたいものを意気込んで食べ始めるのだが、期待していた味と違うことにがっかりして、食欲も失せてしまう。
こんな事の繰り返しで、とにかく味がよくわからず、食事が美味しくない。

ドセタキセルの副作用でもある味覚障害は食べる楽しみまで奪ってしまう。
口の中は常に苦く、喉の奥はヒリヒリしている。
薄味の料理は味がわからないから、ついつい濃い目で刺激の強い味付けを好むようになる。
塩分は控えたほうが良いことは百も承知だけれど食欲には勝てない。
ただ美味しく食べたいだけなのに、ドセタキセルの副作用でそれすら叶わない。

そして便秘。
ドセタキセルの投与後は決まって便秘になる。
トイレを占領する時間が長くなり、その度に体も冷えきってしまい悪循環。



                    あり合わせのカニ雑炊もいまひとつ・・・




未だに副作用との上手い付き合い方が身につかずじれったい。 (・e・)