底冷えのする東京での二日間。
息子の受験を無事見届けることができて良かった。
自宅を出る時は雪が降り積もり、『関東地方も大荒れ模様』という天気予報に交通の乱れを覚悟しての上京だったが、新幹線をはじめ各鉄道も混乱なくスムーズに移動できた。
東京駅付近では受験生風な学生を大勢見かけ、自分たちのような親子連れは特に目に付いた。
宿泊先のホテルでも高校生らしい学生と何人かすれ違い
「やべぇ・・みんな受験生に見えてくる・・」
全国のライバルの存在に緊張気味の息子だった。
受験前日の夜、飲み物と簡単な食べ物を買うために、二人で宿泊ホテル近くのコンビ二へ出かけた。
ホテルを出る時一緒だった一人の青年とコンビニでもまた一緒になった。
ひよこ達と同じように地方からの宿泊者と見受けられるその純朴そうな青年は、お弁当とおやつを買っていた。
大学受験のための上京であろう彼は、ささっと買い物を済ませ小雨の降る中、傘もささずにホテルへと走って行った。
そんな彼を見て、受験生の母としてすこし胸を締めつけられる思いだった。
息子はというと・・電車の乗り換えなどひよこの後に着いて歩いているばかりで、終始母任せだった。
もっとも、受験だけに集中して欲しいために息子に付き添うことを望んだ母としての希望は叶えられた結果ではあるけれど、考えさせられた。
一人コンビニで買い物をする彼は、慣れない大都会で過ごす緊張と心細さに耐え、大学受験に挑んでいる。
その彼に強さと逞しさと成長を感じたのは言うまでもない。
本当の愛というのは、遠くで見守ることなのかもしれない。
来週、もう一度上京する予定がある。
今度は息子の後ろをだまって着いて歩いてみようと思う。 (・e・)