2005年右乳房全摘、局所再発・多発肝転移・多発骨転移・胸膜播種転移治療日記。

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制吐剤+アルファ
 


ドセタキセル・シクロフォスファミド3クール目から3日過ぎた。


今までのような強い吐き気がない。



                       畑のジニア・・今年は花付きがとても良かった。

初めてのTC治療の後、激しい吐き気に見舞われたことから2クール目は制吐剤イメンド・カプセルが処方された。
まあまあの効き目だった。
それでも強いムカムカ感が続き4、5日はベッドで過ごした。
延命治療をしているのに、ベッドに縛られる日々を強いられるのは空しかった。


  
              義父が肥料をたっぷり与えたそう・・・植物って正直。

今回、3クール目はひよこの訴えに主治医が新たに薬を処方して下さった。
ステロイド剤である「リンデロン」
『リンデロン・・・?内服もあるんだ〜』
程度の知識しかなかったので少し驚いた。
そして、ステロイドという言葉に少し不安を覚えた。
ステロイドという薬に対して決して良いイメージを持っていなかったから・・・。

「食欲が増すこともあるかもしれません。でも吐き気は抑えられると思いますよ。」
と主治医が言う。





一日4錠点滴の翌日から3日分が処方された。
昨日は2錠だけ飲んだ。
ひよこ自身の判断で勝手に減薬した。
少ない薬の服用で効果があるならば余分に飲む必要はないんじゃないのかな・・・と思ったから。
でも・・昨日はムカムカが続き期待していた効果は感じられなかった。

今日は処方通り4錠服用した。
あれ?ムカムカが少し治まってる。
食欲も出て、夕飯の準備から片付けまで普段通りに出来た。
初回投与の時のように苦しい思いをして・・吐いて・・数日間は果物しか食べられないような副作用は耐えられない。
あの苦しみが続くのならば、いっそ無治療を選択していたかもしれない。

イメンドとリンデロンを服用することで、良好なQOLが保たれている。
がん細胞をたたく目的のTC治療に伴って、本来の治療の目的にはそわない症状も出てしまう不都合な副作用。
薬をたくさん服用することは常々避けたいと思っていたけれど、
治療を続けるために、新たな薬の力を借りることもやむを得ない。




今3クールを終えたTC治療。

少なくともナベルビンやジェムザールよりは効果がありそうな気がしている。
いかなる手段を使っても残り少ない薬となったTC治療を続けていきたい。
たとえムーンフェイスになろうとも、10キロ体重が増えても、TCをやめるわけにはいかない。




副作用と上手く付き合って・・生きている喜びを感じたい。  (・e・)



3rd TC・ゾメタ点滴
 



今日は朝から身体がだるかった。



暑さのせいかな・・・でも今朝は少し秋めいていていつもの朝よりは涼しかった。




気分を変えるために今日は帽子を変えてみた。
先日バーゲンセールで購入したキャップ。
キャップは初めてのタイプ。
こんなちょっとしたアイテムの変化も闘病のモチベーションを上げる。





診察を終えて外来治療センターへ移動する。
イメンド・カプセルを1錠飲んでソファーベッドで30分待つ。
治療中は窮屈なので帽子も付け毛のついたネットも脱いで、持参したバンダナをスキンヘッドに巻く。

点滴が始まる。
制吐剤から生理食塩水まで全部で5本の点滴を流す。
約3時間。
いつもなら絶好の読書タイムになる時間なのに、今日は持って行った本が活躍することはなかった。
本を開いて読み始めてみたけれど、とても疲れる。
目も頭も・・首も肩も・・読書を拒絶しているかのごとく重い。
読書をあきらめTVを観ることにした。

点滴パックが空っぽになったことを知らせる電子音で目が覚めた。
うとうとしてしまっていた。
「ひよこさん、今日は疲れているみたいですね。大丈夫ですか?」担当ナースが心配して声をかけれくれる。
結局最後まで眠ってしまっていて・・・「終わりましたよ」って起こされる始末。
こんな事は初めてのことだった。
アルコールで溶解してあるパクリタキセルの点滴の時だって、眠ったことは無かったのに。

「ベッドが空いてるから良かったらもう少し休んでいかれてもいいですよ。」
主任看護師さんが泣けてくるような優しいことを言ってくださる。



こんな素敵なスタッフに囲まれて・・・感謝の一日だった。      (・e・)



OMOTE SANDO HILLS
 



吉祥寺に次いで行ってみたかった表参道。




そこにはTVでよく見かける美しいケヤキ並木があった。




目的の”表参道ヒルズ”




表参道の坂とほぼ同じ勾配をもつと言われている「スパイラルスロープ」





6層の吹き抜けと、それを囲むらせん状の坂。
地下3階から地上3階の6層構造の設計で、まるで街歩きをしているような感じでお店巡りができるようになっている。





日本初上陸・初出店のショップが多い・・・とガイドブックに書いてあったけれど、その分野に疎いひよこには全く興味も湧かず、結局お店を一つも覗くことも無く写真だけ撮ってきた。

ファッションも雑貨も・・ハイセンスなショップばかり。
歩いている人もみんなお洒落で颯爽としている。
とてもひよこのような田舎者の居る場所ではないような気がして、居心地が悪かった。





でも、念願だった表参道歩きに挑戦できて嬉しかった。
本当はカフェでゆっくりお茶でもしたかったけれど、帰宅予定だった昨日は時間の余裕も無く急いで原宿駅まで歩き、ほんのちょっとだけ、街歩きを楽しんだ。


もう一度自分の足で訪れたいから、明日の抗がん剤治療も乗り越えたい。
こんなささやかな楽しみがあるから闘病も続けられる。
今日も一日顔晴ろうと思える。





もう一度ゆっくり訪れたい。テンションの上がる街「表参道」   (・e・)


母の気持ち娘の気持ち



東京駅から新大阪行きの新幹線に乗った。






隣の席に娘がいない事が少し淋しい。




今日、「午後からサークルがあるんだけど馬場で集合する事になったから途中まで一緒に行けるよ」という彼女と中央線の中野駅で別れた。
ほんの数時間まえ。



                            井の頭公園散策


「次は中野〜中野〜」と車内アナウンスが流れた。

最後に何か言わなきゃ…
「野菜をたくさん食べて…身体に気をつけて…がんばって…」としか言えなかった。
もっと言いたい事があるのに、胸が一杯で言葉にならない。
「うん…うん…」としか言わない彼女。
母の横でどんな顔をして乗っていたんだろうか?





乗り換えのためにホームへ降りた彼女が最後にチラッとこちらを向いた。その顔が、あまりに淋しげに見えて、母としては嬉しくもありまた辛くもあり複雑な気持ちになった。





「年末は試験の前だからたぶん…帰らない」
と言う彼女。
またしばらく娘の顔が見られない。


近そうで遠いTOKYO。





今度逢える時にはひよこの今の治療が奏効して…スキンヘッドに髪も少しは伸びてるといいなぁと思う。


明後日は通院。
TC3クール目とゾメタの点滴。



処方された“イメンド”忘れずに持って行かなきゃ。   (・e・)
スーパー猛暑in吉祥寺



吉祥寺駅で降りて通りへ出た。





ひよこの住む東海地方より涼しいかも…と期待して出掛けてみたけれど、やっぱりこちらも負けず劣らずスーパー猛暑。

それでも、初めて降り立つ駅周辺の景色はとても刺激的。





脱毛した頭に帽子を目深に被り一人で通りを歩く。
人ごみに紛れると自分が転移がん患者であることも忘れる。

見知らぬ土地でも、食べて…歩いて…排泄して…睡眠して…、「生きる」ってこういうことかな〜と想う。





闘病の励みに繋がるような吉祥寺散歩になればいいなぁ。  (・e・)


Uターン
 


娘が帰って行く。


「あ〜あぁ。また東京か〜。」とつぶやいて・・・。


あっという間の10日間だった。
玄関に居座る娘の靴。
賑やかな食卓。
増えた食器や洗濯物に感じる幸せ。
閑散としていた娘の部屋が蘇る。
久しぶりに弾む姉弟の会話。
「今が永遠に続けばいいのに・・」と嘆く主人。




『地球の果てまで行っちゃったわけじゃないから、またすぐに会えるよ、きっと。』
でも・・父親の気持ちは、はっきり言ってわからない。
ひよこも娘と同じ女性だから。
どちらかと言うと、娘の気持ちのほうがよく理解できるかもしれない。
『いつか・・・お嫁に行っちゃうんだから・・・。』
『娘が選択した未来を応援してあげようよ・・・。』





今日彼女と一緒に東京へ行く。
家族のために一生懸命働いている主人には申し訳ないけれど、行ける機会を逃したくない。
がんを生きるひよこは、あと何回娘のところへ行けるかわからないから・・。
1週間余分に休薬してでも、まだまだ続く抗がん剤治療を乗り越えるために、束の間の非日常を楽しんで来る。







こんな機会を与えてくれた主人と娘に感謝して。            (・e・)




主治医はコーディネーター
 


本当なら昨日は化学療法TC3クール目の予定の日だった。


患者であるひよこの都合で1週間延期を申し出た。



帰省した娘がUターンする時は一緒に上京しようと思っていた。
気分転換を兼ねて。
ひよこの留守中、家事の負担が増すことになる主人と義父に話すと、了承してくれた。
「楽しんで来いよ」
主人が気持ちよく一言添えてくれたことが嬉しかった。

TC治療を2クール終えて、結果が良くても悪くても次の治療は1週延期して欲しいと主治医にお願いするつもりでいた。
抗がん剤を点滴後、翌週上京なんて・・・とても無理だから。
主治医は理由も聞かず快諾してくれた。

「いつも言いますけれど、ひよこさんが生活し易いことが最優先ですから。必ずこうしなければいけません・・なんていうことはありません。治療に関しても、医者はあくまでも提案者にすぎません。その治療をするかしないかは、患者であるひよこさんご自身が決めることだと思っています。言うなれば医者はコーディネーターということです。」

いつもいつも、ひよこの意志を尊重して融通をきかせて下さる主治医の治療方針があり難くもあり嬉しかった。

TC2クールの評価後、検査結果をふまえて次の治療をどうするのか・・・?
「ひよこさんの副作用が辛そうなので、T(ドセタキセル)単剤にするという選択肢もありますよ」
ひよこのQOLを重視した治療の提案をして下さる。
でも、昨日は迷わずに「今のままTCを続けます」とTCに懸けるひよこの強い気持ちを伝えた。                      

マーカー値も少しはブレーキがかかっているらしいTC治療。
肝臓エコーではしこりの数は増えたけれど、縮小傾向・・というちょっと矛盾した結果に疑問は残るものの、せめてもう1クール治療してその後の評価に希望を見つけたい。
今の治療の先にある未来に・・今が続くよう期待したい。
                                          

そして、次の造影CT検査が楽しみになるような治療になるといい。
微増ながら横ばい・・と主治医に言われたマーカー結果も今までの結果に比べたら喜ぶべき値。
一番大きな肝臓のしこりも若干縮小。
こんな風に少しでも希望の持てる治療の成果は辛い抗がん剤治療の励みになる。



TOKYOの空気を吸って、気分転換したら、きっとまた顔晴れる!   (・e・)



PS.今週はお土産が集中して・・体重増加間違いなし!かも。


     「心残りになるから」と言う娘のリクエストに応えて焼いたチーズケーキ



                                         東北のお土産


               京都のお土産 その1



                                   京都のお土産 その2



                                    熊本のお土産


多発肝転移の評価
 


さらに上がっていたマーカー値 CA15−3。


NCC−439は僅かに下がっていた。


「正直微妙ですね。僕としては横ばいと捉えていますけど・・・。先月(7月)はマーカー値の検査をしていないので何とも言えませんが・・・。」
主治医は今までのような幅の上がり方でないことに手ごたえを感じているようだった。
ただ「著効」とはいえないとも付け加えられた。





タキサン系ではあるけれどタキソテールは初めての薬剤。
本音を言えば「著効」を期待していた。
あんなに辛い副作用に見合う効果が得られなかったことが、少なからずショックだった。





落ち込んでいる時間もなく・・超音波検査。
「大きく息を吸って〜。はい、そこで止めてください。・・・・・楽にしてください。」
繰り返すこと数回。
ひよこ自身も画面を食い入るように見てみるけれど、いつもよくわからない。
それでも今日は小さな黒い影が幾つも見えた。
『前より・・増えてるんじゃない・・・?』





固唾を呑んで・・・Drの言葉を待つ。
「今まで経過観察をして来た一番大きいしこりは小さくなったと思います。それからパラパラとある小さなしこりはより鮮明に見えるようになりました。ただ・・数が増えているようです。」
付き添ってくれていた主人が質問をする。
「小さなしこりは・・・幾つありますか?」
「一つ・・二つ・・・三つ・・・これもそうですね・・・全部で六つでしょうか。」
先月始めに撮ったCT画像をスクロールしながら主治医が数える。
『えっ?そんなにたくさんあるの??』





三つくらいと認識していたひよこはDrの数えたしこりの数に絶句した。(・e・)



Aquarium
 



小さな水族館へ出掛けた。



主人の夏休みも、娘の帰省やらお盆やらと重なって・・あっという間に終わってしまう。



「何処かへ出かけたいな・・」
というひよこのリクエストに応えて連れて行ってくれた。
海の近くの小さな水族館。





夏休み期間だからかな?館内は親子連れでいっぱいだった。
ひよこたちのような二人連れは見当たらず何となく・・ういていた!?
それでも久しぶりの水族館はとても刺激的だった。





一番印象的だった「いわしの群れ」

心が洗われる・・・とでも言えばいいのか・・・。
このいわしたち、小さな体で一生懸命に何かを伝えようとしているかのように想えて、暫くその場に釘付けになった。
中島潔のいわしの大群の絵を思い出した。
金子みすゞの詩「大漁」を表現したあのいわしの群れと・・・寂しげな少女の顔。
一匹・・一匹・・・一生懸命に生きている。
生きている命と同じ数ほどあるであろう・・隠の弔われた命。
この小さな体で「生」や「死」、「命」を見事に表現している。




みんな一つの命を生きている。



こんなささやかな気分転換で・・また、顔晴れる☆         (・e・)


白血球4000
 


今日は通院。


腫瘍マーカーを含めた血液検査があった。


今日の採血は3度目の針刺しでようやく血液がうまくひけた(><)
ひよこの血管は細いながらも最近では毎回1度目で採血できていた。
それなのに今日は1度ばかりか2度も失敗・・・
検査技師の方がおっしゃった。
「血圧が低いと採血がしにくいことがあったりします。そうでなければ技術の問題でしょうか」
そんなことを言われて血圧が気になって仕方が無かったから、外科外来のナースにお願いして血圧を測ってもらった。
90−60
やっぱり、いつもよりちょっと低かった。
「フワフワしたりしませんか?」とナースが心配してくれたけれど、自覚症状はない。
最近のスーパー猛暑のせいであまり動いていないからかもしれない!?





診察の時、絆創膏を3箇所も貼ってあるひよこの左腕をみた主治医が
「痛々しいですね。あまり採血が難しいようでしたら、思い切って右腕で採血してみましょうか?」
って冗談混じりにおっしゃった!
右乳房を全摘して・・リンパ節をレベル3まで切除しているひよこの右腕に針を刺すなんて・・。
術側の腕で採血や点滴をしてみえる患者さんも大勢いらっしゃるというDrのお話だったけれど、やっぱり怖い。
リンパ浮腫。
何かのはずみで突然腫れることもあると聞いている。
少しでも良好なQOLのためにもリンパ浮腫は避けたい。
左腕の絆創膏が幾つになってもいいから、術側の右腕だけは大事にしたい。





今日の白血球は4000。
3クール目のTC治療は問題なくできそうなことにホッとした。
でもそれは今日のマーカー値の結果次第ということになるのだけれど・・・。




3日後・・・マーカー結果が出る。 もう・・今から緊張してる!     (・e・)