腹部造影検査だった昨日。
その日は主治医の外来診察のない日だった。
「読影医の所見を見る前に僕が画像を読みますから、CT検査が終わったら外科へ来て下さい。」
と言われていた。
主治医は日ごろ『読影医の所見を見てしまうと、先入観をもって画像をみがちになってしまうので、なるべく自分の目で読むようにしている・・・』と言っている。
熱心なDrだと思う。
乳がんが再発してから何度目の造影検査になるのだろうか?
とても数え切れない。
確かなことは、今年になって2度目の腹部造影検査だということ。
これほど経験していても、造影剤が入る瞬間はいつも緊張する。
血管のルート確保も不安要因の一つかもしれない。
まず、造影剤を入れる前に一度スキャン。
その後緊張をほぐすため、2・3回大きく深呼吸をしてみる。
そうすると、何となく気持ちが落ち着いてくる。
そしてゆったりとした気持ちで造影剤を受け入れられる。
最近新しくなったというCT装置は、今までのCT検査に比べたら息止めの時間が短くなって、少し楽。
検査を終えて外科の外待ちで待つ。
今日は担当Drの診察時間が予約時間を大幅に超えているようで、外待合はかなり混雑していた。
一番後ろに座って待った。
どのタイミングで呼ばれるんだろうか・・・?きっと、大きくなってるんだろうな・・・と緊張と不安でMAXになりそうな気持ちを、恒子先生の著書が助けてくれた。
『怖くない抗がん剤』 『乳がんが再発した人の明るい処方箋』
先生もこんなに顔晴っておられたんだから・・・と思ったら勇気が湧いてきた。
副主任のナースが大きく手を振って「ひよこさ〜ん」と前のほうで呼んでいる。
「こっち・・こっち・・・」
と救急外来の診察室へ案内してくれた。
二重になっている扉を通り抜け、初めて入った部屋には既に主治医が待っていた。
「ちょっと待ってね。雑用を先に片付けちゃいますから。」
とパソコンと向かい合ってせわしなくキーボードを叩いていた。
待つこと30秒〜1分。
ひよこにはとても長く感じた。
自分の画像が映し出されるのを待つって・・・何処を見てたらいいのか視線にも困る。
ただ、心臓だけがバクバク・・Drに聞こえてしまうんじゃないかな?と思うくらい響いていた。
画像が出る。
前回2月に撮った画像と比較するDr。
「ん〜、確かに大きくなっていますね・・・」
やっぱりか・・・
「でも中心部は微妙ですね。壊死している感じがします。この染まった部分の全てが腫瘍かどうかは、僕にもはっきりわかりません。体積にして前回よりもどれくらい増えているのかということも、わかりません。でもあきらかに勢いをもって増殖しているとも思えません。
実際、ひよこさんの肝転移の経過をみていると・・正直よくわかりません。こういったケースは僕もあまり経験がありませんから・・・」
消化器がご専門の主治医は初発の肝臓がん・大腸や胃がん等からの肝転移とは性質の違う乳がんの肝転移が不思議なもに見えるのかもしれない。
「僕はナベルビンが効いていないとは思えません。ナベルビンは抗腫瘍効果としては十分力のある薬です。ただ、ひよこさんには期待していたほど効いていないのも事実です。薬を変えてみるのもいいかもしれません。」
じゃあ、次の薬は具体的に何?
エビデンスのあるガイドライン通りの薬を提案するDrともう一度XCはどうか・・・なんてDrの予想外の薬を使ってみたいというひよこの意見は交わることがなかった。
組織に迷惑をかけたくない・・・という主治医。
主治医のお立場も十分理解できる。
でも、患者に寄り添った・・後悔しない治療を期待するひよこもあきらめない。
ベランダのNew Face 2「わかりました!僕ももう一度調べてみます!!」
「私も勉強してみますが、先生もいい治療法を探して下さいね!」
次の薬への変更は、もう少し時間をかけて検討することになった。
その間・・・今のまま・・・ナベルビンを続けながら。
最後に「先生・・自己免疫力で顔晴ってみます!!!」と言っていつもよりかなり時間を割いて下さった診察を終えた。
でも・・どうしたらいいんだろう??? (・e・)