2005年右乳房全摘、局所再発・多発肝転移・多発骨転移・胸膜播種転移治療日記。

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家族への告知
 


家族へ・・子供へ・・自分の病状をどのように告知したらいいのか?



お子さんのいらっしゃる乳がん(に限らず)患者さんは、ご自分の病状を全て子供さんにお話していらっしゃるのでしょうか?
病と共存する母として、子供さんとどのように向き合っておられるのでしょうか?

ご自身の年齢や病状・子供さんの年齢や性格・・・・等様々で、ひとくくりにはできないことかもしれませんね。
訪問者のいちごさんにひよこの意見を求められましたが・・・答えが出ません。
再発している事実は現実です。
現代の医学では根治が難しいことも事実であり現実です。

再発って・・残念ですよね。

ひよこも残念ながら再発乳がん患者です。
余命を生きています。
でも・・余命なんて誰にもわかりません。
ある意味全ての人は余命を生きていると言えるかも知れません。
なぜなら明日の命の保証のある人は、誰一人としてありえないからです。

再発をしている・・という事実が、他の人よりも少しだけ“死”へのモチベーションを上げているだけです。抗癌剤の副作用があって、生活に少しだけ支障があります。通院や入院治療の時間とお金が余分にかかります。
・・・がん患者だからといって、できないことは・・少ないと思います。


母親が元気でいることは子供にとってはとても嬉しいことでしょう。
でも悲しいかな再発という厳しい状況の私たちは
『お母さんも一生懸命・・顔晴っているんだよ!』
というメッセージを子供たちに伝えることが大切ではないかな?と思います。
お一人お一人お名前やお顔が違うように、伝え方もオリジナルな方法で。



      庭の片隅でひっそりと咲く すずらん


いちごさん。
ご期待に副えなくてごめんなさい。

いちごさんが伝えたいと思われるならば、いちごさんの方法でお嬢さんに伝えて差し上げたら、きっとお嬢さんもわかってくれると思うわ。
お互い・・「今」を大切にして「今」を楽しみましょうね。



コメント欄には書ききれなかったので記事にしちゃいました!(・e・)


ニーチェの言葉


息子の迎えに行った帰り道 久しぶりに本屋に寄った。


高3になって、少し受験勉強を意識 し始めた息子が「キャンパスノートと参考書が欲しい」と珍しいことを言った。
一緒に本屋に入った。

最近はもっぱら図書館利用のひよこは、インターネットで予約して近所の配本所で受け取っていて、新書コーナーなんてご無沙汰だった。
『ニーチェの言葉』は新聞で見かけて気にはなっていた。
借りようかな〜と思っていたけれど、実際に表紙を見てしまったら惹きつけられてしまった。





余命を生きるひよこのバイブルになりそうな予感がした。
迷わず“買い”でした!

それからお目当てだったガーデニングの新刊もゲット!!




GWにゆっくり読みたいな〜☆             (・e・)








遠隔転移(肝臓)が確定して、全身治療のための抗癌剤の点滴が始まった。

紅い・・・クスリ   AC




同意書の説明内容は
◆◆◆癌の治療のため、抗癌剤投与を行います。
抗癌剤投与により癌の縮小や進行を止める効果を期待します。今回の治療で予想される副作用としては、食欲不振・吐き気・嘔吐・下痢などの消化器症状、白血球減少や血小板減少などの血液障害、その他肝・腎機能障害、口内炎、味覚異常、皮膚炎、色素沈着、抹消神経障害、脱毛などが発生する可能が考えられます。その程度によっては時に入院加療を要する場合もあります。
   
これらの副作用の発現や程度には個人差や使用する薬剤によっても差があります。定期的に血液検査などを行い、十分に配慮しながら経過を観察します。また、吐き気などの自覚症状がありましたら、遠慮なくご相談下さい。
副作用の程度により、症状に対する治療や抗癌剤の減量、休薬、変更などの適切な処置を行いす。

・ADR  アドリアマイシン 
・CPM  エンドキサン  併用療法3−4週間毎に行います。◆◆◆
 

当時は読む気力もなく、ただ無意識に自署していた抗癌剤治療同意書の説明文。

 
<あらためて今読み返してみると、一番辛かった副作用“脱毛”は予想される副作用の中でも一番最後に記述されている。主治医はどちらかと言うと髪が薄い?!(ごめんなさい)から、髪に関してはひよこより想いが弱いのか?生命にかかわる重篤さから言えばたいしたことはないと言うことだったのか?
そんな主治医も今ではN大学病院の准教授。N大学大学院医学系研究科 化学療法講座の講師もしていらっしゃるという。ひよこが最近セカンドオピニオンをとったG病院のDrは「僕の師匠です!」とビックリしておられた。
今でも年に一度くらい、患者会を通してお会いする。私にとって最初の尊敬する主治医。>

「ノートはつけていますか? 投与した薬の名前・投与量・副作用・・など、記入しておくといいですよ。」抗癌剤初心者のひよこにアドバイスしてくれた。
肝心のひよこ自身は、遠隔転移が確定して・・ネガティブな思考にどっぷり浸かってしまって、思考がまともでなくなっていた。
術後の胸壁にあらわになった肋骨のふくらみまでも、しこりに間違いない!と思えてしまう自分が辛く・・悲しく・・哀れだった。 

「胸壁に放射線を照射して下さい。」
とお願いするひよこに
「放射線は一生に一度しか使えません。今は使わないほうがいい・・・。」とDrは胸壁のふくらみを“しこり”と思い込むひよこを否定することなく、静かに語った。



今思い出すと、その時の主治医の言葉はとても意味の深い一言だったのかもしれない。

KY・・・空気よめない?空気よまない??
 


今日はナベルビン5クール2投目・ゾメタ21クール目 の点滴の日。



春の雨降る朝
息子を学校へ送りそのまま病院へ向かった。
外科の受付をして時計を見たら9時15分前、 9時の予約時間までにまだ時間がある。
でも主治医の診察はすでに始まっていた。
案内板に次々と受付番号が表示されていく。
他のDrの表示はまだされていない。

診察室から出てきた男性
作業服を着た中年の・・今から出勤します・・といった感じの人だった。

少しでも早く診察を終えて、仕事に間に合うように・・・という主治医の心配りを勝手に想像した。
そんな患者さんにはひよこの時間を譲ってあげてもかまわない。
職場に気兼ねしながら通院しなければならないやるせない気持ち・・とてもわかるから。



今日は点滴の時間を利用して読書をした。




前から読みたいと思っていた 『空気は読まない』 鎌田 實 著
・・・泣けた!
点滴の様子を見にくるナースが聞いてくる。
「何読んでるんですか?」
表紙を見せて・・Dr鎌田について少しレクチャーしたら
「あっ!お名前・・聞いたことあります。『がんばらない』もどこかで聞いたことあります!!」

泣ける理由について少し話して・・
「私も読んでみようかな? 」
と言って自分の左手の手袋の上からボールペンでメモっていた。
GWも3日間は出勤という彼女。
命を扱う現場に休み・・なんて時間はない。
家に帰れば幼稚園に通うほどの幼い子供が二人居ると言っていた。
「無理しちゃあ・・ダメだよ。 子供たちをしっかり抱きしめてあげることが先だから・・・」
「ありがとうございます!本当はひよこさんを励ましてあげないといけないのに、私がひよこさんに励まされました。」
とか言っていたナースTちゃん。

アンパンマンが大好きなTちゃん。
GWはアンパンマン博物館?に出かける予定だとか・・・
『空気は読まない』のなかにもアンパンマンの生みの親 やなせたかしさんのエピソードも語られている。  お楽しみにね!


ところで、空気は読むべきか?読まないべきか??
W大学の学部入学式でも
「空気は・・あえて読むな。」
と学部長がおっしゃっていた。

◆空気は読めるが、
 空気に流されないことが大切なのではないか。
 空気は読めるが、
 あえて、空気を読まないときがあってもいい。
 空気をかきまわしたほうがいいときもある。◆

『空気は読まない』 著書のなかで鎌田先生が綴っていらっしゃる。



空気は読めないよりも読めたほうがいい。



読み具合が・・・肝心かも。
みんな日々“空気を読む”というレッスンを受けながら 生きているのではないだろうか?    (・e・)



眩しい・・・
 


久しぶりに朝から気持ちよく晴れた。




たっぷりの雨が降った後・・力強くなった陽の光を浴びて・・・全てがイキイキしてくる。
庭木も草花も・・
ベランダから遠くに見える里山も、さらに緑のコントラストが鮮やかになる。
こんな日はベランダへPCを持ち出せるから大歓迎!

娘から電話が入った。
GWの予定の件で・・・
どうやらイキイキしているのは、自然だけではなさそうだった。

「お母さん、めっちゃ楽しいよ!クラスのみんなとてもいい子ばかりで、ちゃらい子とかもいないし・・
 こんな事言っていいのかな・・・?
 昨日“オール”してきちゃったじゃんね。朝までカラオケで遊んで・・・・」

「連休はディズニーランドへ行く約束もあるんだ〜♪ すごいよ!ディズニーまで30分で行けるんだって!!  マジ信じられんし・・・。」

って、声を弾ませてとにかく楽しそうに話す。
・・・安心した。
『寂しい』とか『つまらない』とか言われたら、何のために遠い地へ娘を手放したのか悔やまれるから。
一日一日を楽しくイキイキと過ごしていることが何より嬉しい。








久しぶりの青空が眩しい。




木漏れ日も眩しい。


今日の娘も 眩しい。

東京で暮らし始めて、そろそろ一ヶ月になろうとしている。
寂しかったり辛かったことも、それなりにあるだろう。
でもまだ、始まったばかり。
新しい生活に慣れたら、夢の実現に向けてさらに志を高く・・あきらめずに顔晴って!
周りに感謝して・・今ある自分に感謝して・・自分を信じて・・ね。




一ヶ月なんて・・・アッという間だね☆          (・e・)


冬将軍の置き土産
 


今日もお天気がはっきりしない。ドンヨリとした曇り空。



雨は上がったものの、晴れてこない。
薄暗く肌寒い外の気配は、気持ちを落ち込ませる。

冬将軍の置き土産とも言われている・・季節はずれの寒さ。
ちょっと有難た迷惑なお土産かも。



今週20日(火)曜日のナベルビン投与から4日め。
今週は少し・・楽かな〜!?
いつものような体の痛みやだるさが無い。
お通じも普通にある。
5クール目に入ってようやく体が新たな抗がん剤に慣れてきた・・と言うことなのかな?
・・・もう、使えないかもしれないのにね。

ん〜、思うようにならない再発治療。
ひよこの免疫の監視を潜り抜けて、限りなく増殖するオバかながん細胞。
もう少しおとなしくしていてくれたら、いつまでも・・いつまでも・・共存できるのに。








姉宅で一年中咲き誇る オステオスペルマム ロングジョイ



今日は午後から息子の通う高校のPTA委員会がある。
副作用もまあまあだから、気分転換に出席してみるつもり。
ひよこの病気を知らない人とかかわることも、また新鮮で刺激的。





来年の3月まで、無事に役員を勤め上げられるといいなぁ。



息子の卒業式を目標に・・ガンバロッ!    (・e・)

            
気分転換・・・友人
 


「よかったら家に来ませんか? 私の手料理でよければ、お昼ご飯用意しますよ!」
ってメールがあった。


昨日のこと。
午前中は通院だった。
朝一番の予約だったっけれど、吐き気止め・ナベルビン・生理食塩水の点滴を終えたら11時を過ぎてしまった。
会計を済ませ、薬を受け取り、急いで友人宅へ向かった。

娘の同級生のママ友。
彼女もこの春娘を東京の大学へ手放したと言う・・・
家は近所なのになかなかゆっくり話す機会もなく、久しぶりの再会だった。
午後1時からは出かける予定があるという彼女。
すぐに昼食の準備をしてくれた。

メニューは    ・雑穀米ご飯
        ・具だくさんコンソメスープ
        ・ひじきの煮つけ(ふき入り)
        ・温やっこ 味噌だれ
        

ふきの・・春の香のひじきがとても美味しく、旬を意識した彼女の心配りが嬉しかった。
食後には 和菓子とお抹茶 コーヒー まで頂いた。
写真を撮ることも忘れて、お喋りに夢中になってしまったことが残念だった。   
           
娘の話で話題は尽きない。
ひよこの病気のことを含めていろいろなことを理解してくれている友人とのおしゃべりはいい。
変に気遣いしなくてもいいから・・疲れない。
病のことを詮索もしてこないから・・嬉しい。
ママ友の中で唯一ブログを公開している彼女。
いつも読んでくれていると言う。

誘ってくれる・・その事がとても有難い。感謝です。
やっぱりお喋りは・・楽しい。
病気であることを忘れさせてくれたひと時だった。

外はあいにくの雨天だったけれど、気持ちが晴れた。




彼女の家の庭に咲いていた八重桜?



雨に打たれて・・しっとりと咲いていた。



淡くほんのりとしたやわらかい・・ピンクがさらに気持ちを優しくしてくれる。





○○ちゃん!ご馳走様。
あれも・・これも・・とっても美味しかったよ!


こんな気分転換があると、また治療も顔晴れる☆      (・e・)



造影CT検査報告書・・増大
 


今日は通院日。




先週の水曜日 4月14日 造影CT検査をした。
主治医の所見は、増大?だった。
ナベルビンからの薬の変更も考慮しなければならない状況だった。
それでも
・許されるならもう少し今のナベルビンで引っ張りたいひよこの意向
・その場で次の薬を決めかねるひよこと主治医
・肝転移巣の中心部の壊死も増大傾向にあり、腫瘍そのものの勢いとしては衰えてきているので は?
・放射線科の読影医の所見を待ってみましょう。

そんな理由から『次の薬を決める間、ナベルビンをもう1クール続けましょう』という主治医の提案で、今日もナベルビン5クール1投目の点滴をしてきた。



ちょうど、CT検査報告書も届いていた。




厳しい所見・・・
こうして内臓を・・肝臓を・・目で見てしまうと、あらためて自分の病気の深刻さを考えさせられる。 

乳癌 再発・肝転移・多発骨転移 胸壁局所再発・・・・・ステージ4の全身転移。 



どうしたら・・いいのかなぁ・・・           (・e・)

『がん』 心と体のケア
 


『がん鎮痛薬 使いやすく』

という見出しの新聞記事をみつけた。 日本経済新聞。



日本ではがんの痛みを抱える患者は最大60万人程度とされる。
痛みを和らげる鎮痛薬は痛みを感じる脳内物質に作用するため医療用麻薬とも呼ばれる。
日本では「麻薬中毒になる」との誤解が根強く、欧米に比べて普及が遅れている。




            散歩途中の寺の飼い猫ちゃん♪

購読している『がんサポート』5月号にも特集が組まれている。

*患者ケア特集*

疼痛コントロールはがん治療の早い時期から始めるのが効果的。
オピオイドを適切に使うことで元気になり、意欲的に化学療法に取り組める。
疼痛治療の必要性は徐々に認識されるようになってきたが、まだ十分とは言えない。痛みの状況に合わせ、適切な疼痛治療が、化学療法に好影響を及ぼすこともある。






・オピオイドの消費量はアメリカの10分の1。
・患者さんの遠慮によって痛みの実態が伝わらない。
・薬を飲むことができるのなら、経口剤が最も簡単で確実で安全
・就寝時の痛みは即日解消すべき。
・痛みを取る事で生きる力が湧いてくる。
・患者さんが治療に意欲的になれる。

『がんサポート』の見出しの一部を紹介してみました。





かつてひよこは頚椎転移の痛みが辛く、まだ転移と診断される前に診ていただいたDrに
「痛みは・・気のせいじゃないですか?」
と言われました。
寝返りも打てないほど痛くて、一晩中眠れなかった患者に対して言う言葉でしょうか?耳を疑うと同時に腹が立ちました。
結果的に下半身麻痺の可能性あり・・との整形外科のDrの勧めで放射線治療に至りました。
心のケアが効果的ながん治療に結びつくといわれている昨今、こんな対応をするDrも居るのかと、最初に診ていただいたDrに呆れたりもしました。

精神腫瘍科医の早期育成が望まれます。





再発・転移したがんと共存して生きるのには・・どうやらコツがあるようです。
“心と体のケア”
心のケアの第一歩は「話すこと」
体のケアの第一歩は「苦痛をなくすこと」


近い将来、患者が使いやすい疼痛緩和の薬が発売される予定だそうです。
痛みがあるとネガティブな思考に傾き、QOLを下げます。
日ごろから、医師・患者双方でより良い関係を築き、自分の気持ち・希望・状況など・・短い診察時間の中でスムーズにDrと会話ができるといいですよね。



再発・転移しても・・・痛みがあっても・・・大丈夫。
たぶん明日は生きている。
たぶん1ヶ月後も生きている。
たぶん1年後は・・・??? 生きていたい!!!


心と体のケア次第かな〜?              (・e・)



くも膜下出血・・・その後の経過
 



義母のくも膜下出血オペから10日過ぎた。



今はICUからHCUに移り、治療を続けている。
執刀して下さったDrは
「術後7日から10日くらいは容体も安定せず、急変もありえます。また今は何ともなくても後遺症が出てくることもありえます。」
と術後2日目の家族への説明の時おっしゃった。

とても誠実そうな手のきれいなDrだった。

くも膜下出血という・・最悪・・急死もありえた状況から義母を救って下さったDr。
彼の見立ては正しく、現実に義母は言語障害が今すでに現れている。
術後2・3日はまあまあの様子で何とか会話することも可能だった。
笑い話もできたほど・・・

「何か食べたいもの・・ある?」
とひよこが耳元で声をかけると
「何にもいらん・・・○○(娘)ちゃんにあげりん・・・」
と東京で一人暮らす孫娘の心配をしたりしていた。

術後、初めて義母を見舞った息子は言葉をかけることもできずに、涙をポロポロこぼすばかり・・・
ひよこに促されて涙声で話しかける息子に
「○○君・・学校の帰りに寄ってね。」と笑って答える義母。

主人が
「オレ・・○○だけど・・・わかる?」
というと、やっぱり笑って
「わっかるよ〜ぉ」
と普段の調子で言っていたのに。

日を追うごとに口数が減った。
術後9日目、脳の造影CT検査で壊死が確認された。
言語機能をつかさどる神経が壊死しているとDrが言う。
脳の細胞って一つ一つがどれも重要な働きをしていて、お互いを補う・・みたいなことはできないらしい。
破裂した血管が左の脳だから右手が動かない。
今は静かに眠っていることがほとんどで、目も開かない。


両手を固定されて、頭からドレーンのような管・腕から栄養点滴・鼻と口からは酸素の管・・・とカラダから何本ものチューブが出ている。
見るも痛々しい限り・・・

義父が毎日自宅と病院とを行ったり来たり・・一日2往復している。
本当はひよこももっとお世話してあげられるといいのに、自分のことでも今はちょっと揺れてて、義母には十分なことがしてあげられない。
タイミングが悪いよ・・・お義母さん。





今日も雨が降る。

季節はずれの寒さに地球からの不気味なメッセージを感じる。





ゆっくり・・ゆっくり・・治していこうね! お義母さん!!          (・e・)



腹部造影CT結果
 



腹部造影検査だった昨日。



その日は主治医の外来診察のない日だった。
「読影医の所見を見る前に僕が画像を読みますから、CT検査が終わったら外科へ来て下さい。」
と言われていた。
主治医は日ごろ『読影医の所見を見てしまうと、先入観をもって画像をみがちになってしまうので、なるべく自分の目で読むようにしている・・・』と言っている。
熱心なDrだと思う。

乳がんが再発してから何度目の造影検査になるのだろうか?
とても数え切れない。
確かなことは、今年になって2度目の腹部造影検査だということ。
これほど経験していても、造影剤が入る瞬間はいつも緊張する。
血管のルート確保も不安要因の一つかもしれない。

まず、造影剤を入れる前に一度スキャン。
その後緊張をほぐすため、2・3回大きく深呼吸をしてみる。
そうすると、何となく気持ちが落ち着いてくる。
そしてゆったりとした気持ちで造影剤を受け入れられる。
最近新しくなったというCT装置は、今までのCT検査に比べたら息止めの時間が短くなって、少し楽。


検査を終えて外科の外待ちで待つ。
今日は担当Drの診察時間が予約時間を大幅に超えているようで、外待合はかなり混雑していた。
一番後ろに座って待った。
どのタイミングで呼ばれるんだろうか・・・?きっと、大きくなってるんだろうな・・・と緊張と不安でMAXになりそうな気持ちを、恒子先生の著書が助けてくれた。
『怖くない抗がん剤』 『乳がんが再発した人の明るい処方箋』
先生もこんなに顔晴っておられたんだから・・・と思ったら勇気が湧いてきた。

副主任のナースが大きく手を振って「ひよこさ〜ん」と前のほうで呼んでいる。
「こっち・・こっち・・・」
と救急外来の診察室へ案内してくれた。
二重になっている扉を通り抜け、初めて入った部屋には既に主治医が待っていた。


「ちょっと待ってね。雑用を先に片付けちゃいますから。」
とパソコンと向かい合ってせわしなくキーボードを叩いていた。
待つこと30秒〜1分。
ひよこにはとても長く感じた。
自分の画像が映し出されるのを待つって・・・何処を見てたらいいのか視線にも困る。
ただ、心臓だけがバクバク・・Drに聞こえてしまうんじゃないかな?と思うくらい響いていた。


画像が出る。

前回2月に撮った画像と比較するDr。
「ん〜、確かに大きくなっていますね・・・」
やっぱりか・・・
「でも中心部は微妙ですね。壊死している感じがします。この染まった部分の全てが腫瘍かどうかは、僕にもはっきりわかりません。体積にして前回よりもどれくらい増えているのかということも、わかりません。でもあきらかに勢いをもって増殖しているとも思えません。
実際、ひよこさんの肝転移の経過をみていると・・正直よくわかりません。こういったケースは僕もあまり経験がありませんから・・・」
消化器がご専門の主治医は初発の肝臓がん・大腸や胃がん等からの肝転移とは性質の違う乳がんの肝転移が不思議なもに見えるのかもしれない。

「僕はナベルビンが効いていないとは思えません。ナベルビンは抗腫瘍効果としては十分力のある薬です。ただ、ひよこさんには期待していたほど効いていないのも事実です。薬を変えてみるのもいいかもしれません。」
じゃあ、次の薬は具体的に何?
エビデンスのあるガイドライン通りの薬を提案するDrともう一度XCはどうか・・・なんてDrの予想外の薬を使ってみたいというひよこの意見は交わることがなかった。

組織に迷惑をかけたくない・・・という主治医。
主治医のお立場も十分理解できる。
でも、患者に寄り添った・・後悔しない治療を期待するひよこもあきらめない。



                 ベランダのNew Face 2



「わかりました!僕ももう一度調べてみます!!」
「私も勉強してみますが、先生もいい治療法を探して下さいね!」


次の薬への変更は、もう少し時間をかけて検討することになった。
その間・・・今のまま・・・ナベルビンを続けながら。



最後に「先生・・自己免疫力で顔晴ってみます!!!」と言っていつもよりかなり時間を割いて下さった診察を終えた。   



でも・・どうしたらいいんだろう???           (・e・)