2005年右乳房全摘、局所再発・多発肝転移・多発骨転移・胸膜播種転移治療日記。

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涙の街 祈る命
 


自衛隊員に背負われ避難する女性

見つけ出された飼い犬を抱きしめる男性と救助隊員

がれきの山と化した住宅地を避難する被災者

津波で流された家屋や車が散乱する国道

津波で壊滅状態になった市街地・・・



東日本を襲った大地震から2日。
「涙の街 祈る命」という見出しと被害の拡大を伝える新聞記事や写真に、言葉がみつからない。

「生きているだけでいい・・」
TVでインタビューに答えていた女性の一言が今も耳から離れない。


どうか一人でも多くの命が救われますように・・・           (・e・)



生かされている意味
 


北の大地で命の灯が消えた。


明日にでも承認されるかもしれない薬を待ち続けながら・・・









また一つ、命の灯が消えてしまった。
猛暑の豪雨でも、氷点下の吹雪でも、消えないように・・そっとみつめていた。

生きたい気持ちとはうらはらに力尽きてしまった灯が消えてしまう度に、自分が生かされている意味を考える。
いつか自分にも間違いなく訪れるその日まで、自分には何ができるのだろうか?

闘病を続けながら・・限りある命の時間を過ごしながら・・、何事もなかったかのように今日も穏やかな一日が暮れていく。
当たり前のように過ぎていく日常に流されている自分は、自分であって自分じゃない・・もう一人の自分であるような気がする。

今、本気で生きているだろうか?
自分の命の灯をともし続けるために、今日も生きている自分を発信し続ける。




自分が生かされている意味を今日もまた考える。


本気で生きたい。           (・e・)      



つながる命
 



昨年植えたスィートアリッサム。


こぼれた種が今年も花を咲かせた。







夏の終わり頃、雑草を抜いていた時小さな芽を見つけた。
あきらかに雑草とは違った弱々しいその芽はどんな姿になるのか想像もつかなかった。
楽しみができて嬉しかった。
もしかしたら雑草かもしれないけれど大切に大切に育ててきた。
寒くなり始めた頃、蕾をつけて花を咲かせた。

昨年植えた株は白だったけれど、こぼれ種から咲いた花はうっすらと紫がかっている。
園芸店には売っていないオリジナルカラー。
もう一株、もっともっと小さいけれどしっかりと根付いてこれから花をさかせようとしている。
あの小さな種の生命力の不思議を思わずにはいられない。

自然淘汰されず再び命をつないだ草花。
厳しい環境や条件に屈することなく残存する可能性はゼロではないことを教えられる。
ひよこの身体の60兆個の細胞の一つにでもそんな可能性を見出したい。



ミラクルを起こすために今日も前を向く。           (・e・)



子どもたちの命をたすけたい
 



JIM−NETからチョコが届いた。


イラクの子どもたちへの医療支援のための募金キャンペーンのチョコ。






この歳まで生きているひよこですら「死」は怖い、もっともっと生きたい・・と思う。
小児がんと闘っている子どもたちはなおさらではないだろうか。
未来への夢や希望あふれる幼い子どもたち。
先進国では医療技術の進歩で、小児がんの治療成績が向上しているという。
産まれる国を自分では選べない。
もしかしたら助かる命が消えてしまう。

ちょっとドラッグ・ラグにも似ている。
欧米で開発・販売されている新薬が日本で使用が認められ発売されるまで非常に時間がかかっている現実。
ひよこのように進行がんを生きる患者は待てない。
使える薬が一つでも増えることは間違いなく延命に繋がる。
たとえその新薬が結果的に奏功しなくても、希望が持てる。
新薬の承認は一筋の光になる。



わずかな募金だけれど、一人でも多くの命が救われることを願って・・ (・e・)


「今」が途絶える時
 


今朝、訃報を聞いた。


ブログを介して知り合った彼女が旅立った。



突然の知らせに驚いて・・動揺して・・困惑した。
『一緒にがんばろう』と励ましあってきたのに、これが現実かと哀しくなった。
今日は一日彼女のことを想った。
最後にコメントをくれたのはいつだっただろうか?
順調に治療が進んでいるとばかり思っていたのに・・・

彼女の「今」が突然途絶えた。
彼女のいない「今」を生きているひよこがここにいて
ひよこと同じように「今」を生きていた彼女の「今」はもうない。
生かされている命だけれど
宿命とか寿命って何?




彼女がやすらかに眠れますように・・・・・        (・e・)



心の解放



今日は心療内科クリニックのカウンセリングに行って来た。


一月に一度のH先生との再会の日。



     ランチでいただいた消化吸収の良い酵素玄米ご飯と小松菜の豆乳味噌汁


たいていいつも一時間のカウンセリングの間に一度は泣く。
自分の正直な気持ちを・・心を・・言葉にすると涙がこぼれる。
でもそれは心地良い涙であって、決して哀しみの涙ではない。
H先生も涙ぐむ。
「ひよこさんからはいつも何かをいただきます」とテッシュを片手におっしゃっる。
こんなこともおっしゃる。
「ひよこさんとこうしてお話していると、映画の中にいるような気がします」
「ひよこさんが女優さんのように思えます」
なんて大胆な発言をされる。

いのちをテーマに話すときはより一層泣けてくる。
『命』というフレーズはその一言で十分にドラマティック。
命について語ることはありのままの自分を語ることだからタブーでもデリケートでも何でもない。
ついつい熱っぽくしゃべってしまう。
そう言葉にすることで・・自分を奮い立たせているのかもしれない。

時々涙をながして自分の命を確認する時間は生きている喜びでもある。

心の緩和ケアにもつながるカウンセリング。
闘病する患者にはステージに関係なく心を解放する時間が必要だと思う。
そんな時間をもてる環境が必要かもしれない。
診察室だったり、看護師さんとの会話だったり、患者会だったり・・・どこでもいい。
声に耳を傾けてくれる誰かがいると患者は救われる。
哀しく辛い気持ちに蓋をしないで全部吐き出すと、案外その先が見えてきたりする。


心を解放する瞬間・・・ありますか?     (・e・)


万灯会
 


昨日、8月15日。


近くの寺院の「万灯会」に出掛けた。








夕食後、義父が珍しく口を開いた。
「万灯会・・行かないか?」
アルコールの入っていた主人も義父の運転なら・・と、義父の誘いを快諾した。
帰省中の娘を連れて4人で義父の車に乗り寺院へ向かった。





幻想的な灯。

私たちに命と今日の繁栄を与えてくださったご先祖さまに感謝をし、さらには世界平和を願う。
繋がる命を意識する。





未来への一灯。千年の祈り。





我が家の一灯も諸願成就の祈りを込めて義父が捧げてくれた。
今年の義父の想いは特別なことと察する。
義母への想い・・・この場に義母が居ないことに胸が痛む。






お盆が終わった。 生かされている今に心から感謝したい。       (・e・)



極暑・炎暑・猛暑・・・蝉時雨
 



夏の日にやかましく鳴き騒ぐ蝉。






はかなく空しい。







成虫としての地上の生活は、数日から1週間と言われている。
生涯で最も輝く時。

何を想って鳴くのだろうか?
現代人には迷惑な蝉かもしれないけれど、今日はちょっと蝉の気持ちになってみた。
「私はここにいるわよ」
「私を見つけて」
な〜んて聞こえてくる。





それにしても今日も暑い。

午後からの外出時、ついにウィッグデビューした。
ネットのゴムがきつくて頭痛がした。
連動するかのように肩も凝る。





真夏のウィッグ生活・・・いかに快適に過ごせるか?
試行錯誤の日々。  
 






輝くために、泣き叫んでみようか。     (・e・)




シャント術
 


昨日は義母のシャント術だった。


くも膜下出血の手術から約50日。
術後、血管攣縮がおこり意識のレベルが低くなった。
体温調節もうまくできない。
脳内の水がうまく循環せずに脳に溜まり始めていた。
この水頭症の拡大によりさらに意識レベルが低くなった。

今回はこの脳に溜まる水(脳脊髄液)を人工的なシステムにより、脳室から腹膜を破って腹腔内まで流れるような管を通す手術。
Drって素晴らしい!
「そんなことができるんだ〜!」って驚くことばかり。
そんな難易度の高いオペを日常的にこなしていらっしゃる。
とてもひよこと同じ人間のなせる業とは思えない。

脳内の水を抜いてもらった義母。
早速、変化があった。
まず目を開いている時間が長くなった。今までは一時的に開くことはあっても、その目はうつろで、すぐにまぶたをつむってしまっていた。
さらに眼球が動くようになった。
見えているのか見えていないのか・・はっきりしないけれど、ゆっくり・・ゆっくり・・まなこが左右する。

「水を抜いた後、1週間くらいして意識がはっきりしてくることが多いです。」
術前の説明の時Drがおっしゃった。


kiitigo1.jpg


庭の木苺の実が色づき始めた。
義母も毎年楽しみにしていた木苺。




毎朝一番に摘みに行ってるのに・・・鳥に先を越される日もある。
義母が食べられるなら摘んで病院へ持って行くのになぁ。


mangetu1.jpg


病院からの帰り道。待宵の月。「14番目の月」 だった。




1週間後に期待したい。       (・e・)



くも膜下出血・・・術後の経過 その2
 


義母のくも膜下出血のオペから1ヶ月が過ぎようとしている。




今もまだHCU治療室で一人戦っている。



  義母の病院の緩和ケアガーデンに咲くストロベリーキャンドル


GWに入り主人も時間に余裕ができ、毎日一緒に義母を見舞う。
「お義母さん、来たよ〜。わかる〜?」
肩をゆすりながら耳元で声をかけてみる。
「・・・・・・・・・・」
「今日は、どう?」
「・・・・・・・・・・」

こんな一方通行な会話を毎日繰り返す。

脳の治療は一段落したものの、水頭症?頭の中に水が溜まってきているらしい。
肺にも、水が溜まっているらしい。
心臓が肥大している・・らしい。


一ヶ月前は元気だったのに、脳の血管の瘤がちょっとだけ破れてしまった・・だけなのに・・すっかり変わり果ててしまった。
GWに帰省した娘を義母に会わせた。
「おばあちゃん! おばあちゃん!!」
泣きながら呼ぶ娘の少し甲高い掛け声に・・・わずかに反応した義母。

そうだよね。
会話はできないけれど・・・まぶたを開けることもできないけれど・・・全部わかってるんだよね。
ひよこが話す一言一言・・聞こえているんだよね?
ある日、突然「ひよこちゃん・・・」って言い出す日を待ってるから。






顔晴って、お義母さん!     (・e・)